

それでも私は、おくらを揚げたい。
先日、近所の農家さんから「おくらが大きくなりすぎたからおすそ分け」と、たくさんのおくらをいただきました。
大きくなりすぎて販売には向かないけれど、「まだまだ食べられるよ」とのこと。
ありがたく頂戴して、さっそくレンジで加熱し、白だしをかけて一品完成!
……ところが…筋がすごい。
そう、大きく育ったおくらは、筋もしっかり育っているんです。
それをすっかり忘れていました。
「うむ。どうしようか。」
ネットで検索してみると、人によっては全ての筋を細かく切ったり、そぎ落としたりしているとのこと。
「そぎ取りならできそう」とやってみたものの、種が丸見えに……「私には無理!」
■試行錯誤の日々
1日目:から揚げ作る!
おくらに穴を空けて丸ごと揚げてみました。
ヘタを持ってパクッ!とする予定が……嚙み切り辛い。
おくら10本も作っちゃったよ…。
2日目:1cmにカットして揚げる!
が、衣だけはがれて浮いてしまい、ただの[もちもちの衣]と[おくら]。
小鍋に3cmしか油を入れなかったのが良くなかった?
3日目:半分にカットして揚げる!
さすがに油は3cmでいいでしょう!
1つお試しで揚げている最中、種が「バチッ!」と飛んできて、痛い!危険!中断!
落ち着くまで壁に隠れました。
種を取る!は、さすがに違うから…。疲れてきた。
■ もはや「筋」研究モード
もっと楽に、快適に、おくらの筋を何とかしたい……
自力調理は諦め、素直に調べる事にしました。
…これ以上実験してたら、おくら腐っちゃうから。
■ おくらの筋とは?
大きくなると目立ってくる「筋」。
実はその正体は「不溶性食物繊維」のかたまり。
セルロース、リグニン、微量のペクチンなどでできています。
消化されにくいけれど、便通を整えたり、腸の調子を良くする働きがある、ありがたい成分です。
……が、硬い。
■ 溶かす事はできないの?薬品なら?
みかんの缶詰って、薄皮を溶かすはず。あれって薬品使ってるはず。
セルラーゼ酵素や苛性ソーダなどを使えばセルロースは分解できるようですが、家庭では現実的ではありません(というか危険)。
■ 食べやすくするには?
薬でどうこうするのは無理なので、調理でやわらかくするしかない!
以下の5つが効果的とのこと。
ゆでる(塩ゆで1~2分+冷水)
塩ずり(板ずり)(塩でこすって毛と筋を取る)
蒸す・レンチン(蒸し5分/ラップ+600Wで1分)
細かく刻む(味噌汁・酢の物に)
重曹を少量使う(水1Lに重曹小さじ1/4で下ゆで)
■ それでも私は「揚げたい」
煮ても焼いても蒸してもいいけれど、「それでも私は、おくらを揚げたい!」
そうしてたどり着いたのが、かき揚げでした。
おくらのかき揚げレシピ
材料(3個分)
おくら:10本
玉ねぎ:1/2玉
にんじん:1/3本
小麦粉(まぶし用):大さじ1
小麦粉(衣用):大さじ3
片栗粉(衣用):大さじ1
水:100ml
揚げ油:適量
作り方
おくらはガクを取って輪切りに。
玉ねぎは繊維に沿って薄切り、にんじんは千切り。
全ての具材に小麦粉(大さじ3)をまぶしておく。
衣の小麦粉に冷水を加え、さっくり混ぜる。
衣を具材に加えて混ぜ、一口サイズにまとめる。
180℃の油で片面2〜3分ずつ揚げる。
カリッと色づいたら完成!
白だしにくぐらせていただきました。
あんなに手こずったおくらが、まったく気にならず、とっても美味しかったー!
■最後に
おくらの筋と4日間格闘した結果、私はようやく「美味しい着地点」を見つけました。
皆さんも大きなおくらをいただいた際には、ぜひ作ってみてください。
元気な畑のごちそう便とは
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