三日とろろとつくねいも ― 新年に食べたい日本の伝統食文化
お正月が過ぎる頃、少し胃が重たいと感じる方も多いのではないでしょうか。
おせち料理やお餅、お酒などを楽しんだあとの体は、実は思っている以上に疲れています。
そんな時にぴったりなのが、日本各地で古くから受け継がれる「三日とろろ」です。
1月3日に食べると一年を健康に過ごせるとされるこの料理は、消化を助け、滋養を補う意味を持つ伝統食。
特に、強い粘りと濃厚な旨味が特徴の「つくねいも」を使ったとろろは、体にやさしく、栄養満点です。
本記事では、「三日とろろ」の由来や食べる意味、つくねいもの栄養価やおいしい食べ方、保存方法までを詳しく解説します。年のはじめに体を整え、元気に一年を過ごすための知恵を一緒に見ていきましょう。
新年を迎えて食べたい「三日とろろ」とは
日本では、正月の三日に「三日とろろ」を食べる風習があります。
これは、疲れた胃腸を休め、無病息災を願うための伝統的な行事食です。
年始におせち料理やお餅などをたくさん食べたあと、消化の良いとろろご飯をいただくことで体を整えるという意味が込められています。
「三日とろろ」は、古くから東北地方や関東地方を中心に広まった食習慣で、地域によっては1月3日に限らず、正月の終わりを締めくくる「養生食」として親しまれてきました。
寒さが厳しい時期に栄養豊富な山芋類を食べることで、免疫力を高め、冬を健康に乗り越えるという先人の知恵でもあります。
つくねいもとはどんな芋?
三日とろろに使われる芋は「つくねいも」や「やまといも」など、粘りの強い山芋類が主流です。その中でも「つくねいも」は特に粘りが強く、もちっとした食感と濃厚な風味が特徴です。
形は丸く、野球ボールほどの大きさで、表面はごつごつとしています。
見た目は地味ですが、すりおろすとまるで餅のように弾力のあるとろろになり、口の中でふわっと広がる上品な甘みが楽しめます。
長芋よりも水分が少なく、コクと旨味が強いため、すりおろしても水っぽくならず、料理全体をまとめる“とろみ”の力が抜群です。
栄養価と健康効果
つくねいもには、消化酵素のアミラーゼやジアスターゼが豊富に含まれています。
これらの酵素がでんぷんを分解し、胃腸の負担を軽減します。
そのため、年始に疲れた消化器官をいたわるのにぴったりです。
また、粘り成分であるムチンは、粘膜を保護し、風邪予防や免疫力向上にも役立ちます。
ムチンは熱に弱いため、すりおろして生のまま食べると、より効果的に摂取できます。
加えて、カリウムが豊富で、塩分の摂りすぎを調整し、むくみの解消にも有効です。
さらにビタミンB群が代謝を促し、疲労回復をサポートします。
これらの栄養素を自然な形で取り入れられる「つくねいも」は、まさに昔から続く天然の滋養強壮食といえるでしょう。
長芋・やまといもとの違い
同じ山芋類でも、「つくねいも」「やまといも」「長芋」にはそれぞれ特徴があります。
長芋:水分が多く、すりおろすとサラッとした食感。とろろ汁やお好み焼きに使われる。
やまといも:つくねいもに似るが、少し細長く、粘りは中程度。関西でよく使われる。
つくねいも:粘りが最も強く、もちっと濃厚。とろろご飯や和菓子のつなぎにも使われる。
料理の用途によって使い分けることで、食感や風味を自在に楽しむことができます。
三日とろろの食べ方
「三日とろろ」は、白いご飯の上にすりおろしたとろろをかけ、醤油やだしで味を整えるのが基本です。
よりおいしく仕上げるポイントは、芋のすり方と味付けの順番。
つくねいもは非常に粘りが強いため、すり鉢で丁寧にすりおろした後、だしや醤油を少しずつ加えながらのばすと、なめらかで口当たりの良いとろろになります。
また、卵黄を加えるとコクが増し、栄養バランスもアップ。
仕上げに刻み海苔やわさびを添えると、風味豊かな一品になります。
近年では、ご飯だけでなく麦ごはんや玄米と合わせるアレンジも人気。
食物繊維が増えて腹持ちも良く、健康志向の方にも支持されています。
つくねいもの調理アレンジ
とろろ以外にも、つくねいもはさまざまな料理に活用できます。
磯辺揚げ:すりおろしたつくねいもを海苔で包み、軽く揚げる。外は香ばしく中はふわふわ。
ふわとろ焼き:山芋焼き風にしてポン酢で。お好みで桜えびや青のりを加えて風味豊かに。
お吸い物のとろみづけ:すりおろしたものを少量加えることで、自然なとろみと栄養をプラス。
和菓子のつなぎ:つくねいもの粘りを利用して、上品な和菓子の生地にも使われます。
これらのレシピはどれも、つくねいもの特有の「強い粘り」と「自然な甘み」を生かしたものです。
おいしいつくねいもの選び方
選ぶ際は、表面がしっかりしており、重みのあるものを。
乾燥やひび割れがあるものは避けましょう
。皮がしっとりしていて、傷が少ないものが新鮮です。
手に取った時にずっしり感があるものは、水分や栄養がしっかり詰まっている証拠です。
また、切り口が白く変色していないものを選ぶと安心です。
保存方法
つくねいもは乾燥と湿気に弱いため、冷暗所での保存が基本です。
新聞紙などで包み、冷蔵庫の野菜室に入れると長持ちします。
カットしたものも、切り口を拭してから新聞紙で包み、冷蔵庫で保存。
すりおろしたものを冷凍保存する場合は、小分けにして保存袋に入れ、自然解凍で使用可能です。忙しい時期でも手軽に使えます。
現代に受け継がれる「三日とろろ」の意味
年の初めに三日とろろを食べることは、単なる食習慣ではなく、体を整え、新しい一年を健康に過ごすための文化的な知恵です。
消化に優れたつくねいもを使うことで、食べすぎた体をリセットし、自然と健康を意識するリズムを作ります。
また、すりおろすという「ひと手間」を通じて、家族が食卓を囲むきっかけにもなり、忙しい現代人にとっても心を整える時間になります。
特に健康志向が高まる今、伝統的な行事食である「三日とろろ」は改めて注目されています。
「お正月明けの疲れを癒す」「胃腸を休める」「一年の無病息災を祈る」といった意味を持つこの料理は、シンプルながらも日本人の生活に寄り添う存在です。
まとめ
「三日とろろ」に欠かせないつくねいもは、粘り・旨味・栄養の三拍子がそろった日本の伝統野菜です。
消化酵素を多く含み、年始の疲れた体にやさしく染みわたる自然の恵み。手軽に作れるうえ、健康にも良いとあって、世代を超えて受け継がれています。
年のはじめに、炊きたてのご飯にふわりとかけたつくねいものとろろを味わいながら、一年の健康を願う。
そんな心豊かな時間を、今年の三日にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
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